「1100万円」
これは私が大学と大学院の計6年間で借りた奨学金総額です。
現在は毎月5万円ものお金を返済にあてています。
なぜ高校生の頃にもっと考えて、奨学金を借りなかったのだろうかと悩むことも多々あります。
実際に私が返済中の奨学金がこちら。
- 学部生のころに、第一種&第二種
- 大学院に進学した際に、第一種&第二種
- 合計4つの奨学金を返済中
奨学金とは名ばかりで実際はタダの借金にほかなりません。
奨学金を安易に借りたこと、安易に私立理系の道を選んでしまったことをすごく後悔しています。
これから奨学金を借りる方にとって、奨学金を借りるということはどういうことかが分かるような記事になっています。
また現在、わたしと同じく奨学金を返済中の方にとっても有益な情報があるはずなので、ぜひ最後までお読みください。
そもそも奨学金とは?
奨学金とは
優れた能力を持ちながら、経済的理由で教育を受ける機会に恵まれない人達を援助するために貸与または給付されるお金のこと。
私の家も奨学金なしでは到底大学なんて進める状況ではありませんでした。
その意味では奨学金に感謝なんですけどね・・・
いわゆる奨学金の中には「給付型」と「貸与型」の2種類があります。
奨学金の種類
- 給付型
- 貸与型
- 無利子タイプ
- 有利子タイプ
給付型奨学金
給付型は返済義務がない、つまりお金が貰える奨学金のことです。
ただし非常に優れた成績を残した人でしか利用できません。
私は公立の高校に通っていましたが、こちらの給付型奨学金をもらえていました。
でも大学に進学してからは次に説明する「貸与型」の奨学金でした。
貸与型奨学金
貸与型は返済義務があるので卒業後は全額返さなければいけません。また貸与型には有利子と無利子があります。
日本学生支援機構(JASSO)では無利子タイプが「第1種」、有利子タイプが「第2種」と呼ばれています。
奨学金を借りている学生のほとんどが日本学生支援機構から借りています。私もここから貸与を受けました。
私が奨学金を借りた理由
端的に言ってしまうと「経済的理由」でした。
私が小学校二年生の時に父親が蒸発し、母親が女手一つで三兄弟を育ててくれました。
しかし収入も低く、3人も子供がいる我が家の家計は非常に苦しかったです。
友達と同じものを買ってもらえないし、母親はいつも余裕がなくてイライラしていたし、絶対お金に縛られる生活から抜け出してやるって考えていました。
そんなころ先生に言われた「お金に余裕がある生活をしたいなら、いい大学に行きなさい」という言葉を信じて大学に進学することを決意しました。
私が思い描く「お金に縛られない生活」を手に入れるためには、どうしても大学に行かなければならない(と当時は思っていた)ので、奨学金を借りて大学に進学することにしました。
高校生の頃は給付型奨学金を受けることができましたが、大学ではそれほど成績が良くなかったので日本学生支援機構から貸与を受けることになりました。
奨学金の使い道
冒頭で言った通り、わたしは1100万円の奨学金を借りました。
この奨学金の使い道は次のようになっていました。
奨学金の使い道
- 学費:888万円
- 1人暮らし費用:240万円
大学・大学院の学費
高校生の頃、安易に私立理系を選んだ自分は何てバカだったんだろうと思うことも多々。
わたしの母校「慶應義塾大学」の学費はこちらのようになっています。
理工学部 | 理工学研究科 | |
入学金 | 200,000 | ー |
在籍基本料 | 60,000 | 60,000 |
授業料 | 1,250,000 | 1,010,000 |
施設設備費 | 220,000 | ー |
実験実習費 | 100,000 | ー |
その他の費用 | 3,350 | 2,600 |
初年度納付金合計 | 1,833,350 | 1,072,600 |
在学生納付金合計 | 1,633,250 | 1,072,500 |
- 大学の学費(4年間): 673万円
- 大学院の学費(2年間):215万円
- 合計:888万円
借りた奨学金1100万円の80%以上を占めるのが学費でした。
慶應義塾で学べたことは本当に良かったと思っています。
でもほかにもっと選択肢があったことは事実です。私立・理系の学費問題を全然実感していなかったんですね。
家賃
大学1,2年の間は片道2時間の通学を続けていましたが、流石にしんどいってことで3年生から一人暮らしを始めました。
生活費は全てバイト代から捻出しましたが、家賃だけは奨学金から支払っていました。
- 家賃5万円(4年間): 計240万円
奨学金を減らすために努力できること
1100万円もの負債を抱えてしまった私。
今となってはどうすることもできず、日々返済していくしかないです。
奨学金を借りてしまった以上、後悔しても仕方ありませんが、これから奨学金を借りようとしている人に少しでもアドバイスをしたいと思います。
では、高校生から大学院生までの私はどうすれば負債を最小限にできたのでしょうか?
国公立の大学に進学する
私の奨学金の使い道で最も多かったのが「学費」です。
この学費を節約する一番の方法は「国公立大学に進学すること」です。そこで実際に国公立の学費を調べてみました。
国公立大学の学費
- 入学金:28万2,000円
- 授業料(年額):53万5,800円
- 6年間合計:380万円
国公立に進学するだけで学費を500万円も節約することができます。
ちなみに500万円あれば「タダで奨学金を返す」こともできます。
現在、わたしが実践している「FXや株式の自動売買」では年間利回り10%を実現できているので、浮いた500万円を投資に回せば毎年得られる利益だけで奨学金を返済することもできました。
それだけ500万円というのは大きな金額です。
文系の大学に進学する
希望に満ち溢れた高校生の方にこんな話をするのはどうかと思いますが、正直に言います。
理系は稼げません。
私が卒業した理工学部は、必修授業が多く、テストも文系の倍くらいありました。もちろん卒業論文の難易度も文系とは比べ物になりません。
それでも文系学部を卒業した友人の方がはるかに給料が高いケースが多いです。
本当に理系の学部に進学する必要があるのか考えてみて下さい。
文系であれば私立でも学費は非常に安くなります。そもそも大学院に行く必要がないのは時間的にも大きなメリットになります。
参考までに同じく慶應義塾大学の経済学部の学費を見ていきましょう。
経済学部 | |
入学金 | 200,000 |
在籍基本料 | 60,000 |
授業料 | 880,000 |
施設設備費 | 200,000 |
実験実習費 | 100,000 |
その他の費用 | 8,350 |
初年度納付金合計 | 1,348,350 |
在学生納付金合計 | 1,148,250 |
4年間で480万円の学費となります。
さすがに国公立ほど安くはありませんが、私立理系と比べると大幅に学費を安く済ませることが可能です。
(場合によっては)一人暮らしをしない
私の場合は奨学金の使い道に「一人暮らしにかかる家賃」がありました。
一人暮らしをしないことで、家賃が当然浮かすことができます。
生活費も大幅に減らすことができて、バイト代で多少学費を賄えるのでは?と思いましたが、これは一人暮らしを始める前の自分がしっかり計算したはずです。
一人暮らしをしない場合は通学時間が毎日4時間もかかります。
もしこの通学時間をすべてアルバイトに費やすと、時給1000円だとして、年間100万円近く稼げます。
100万円あれば家賃と生活費分を賄うことができるので、あとは交際費や趣味に使うお金があれば大丈夫です。
逆に、通学に4時間もかかっていたら、バイトをする時間はほとんどありません。特に理系は朝から晩まで授業が詰まっていることが多いので注意してください。
そうなると結局、通学しても交際費+趣味に使うお金は奨学金から捻出しなければならないので、一人暮らしをしたときと大差ありません。
通学時間が短いのに一人暮らしをする場合は、無駄な支出である可能性があるので、一回書き出して計算してみると良いでしょう。
遠方から通う学生の場合は通学時間とその分バイトで稼げるお金を比較して一人暮らしをするか決めるといいでしょう。
奨学金の借り入れ額を減らす方法
理系でも文系でも、国公立大学を目指しましょう。
あ~もういいや私立で、なんてことを思ってしまうことがあるかもしれませんが、そのときのちょっとした妥協でその後大きな苦労を背負う可能性があります。
理系志望の場合は、本当に自分の目指すべき道が理系なのか自問自答してください。
その際、将来的にどういった働き方をしたいのか、どういう仕事をしたいのかを良く考えるようにしましょう。
貧乏人の私が伝えたいこと
貧乏な家に生まれるのと裕福な家庭に生まれた差が何歳になっても続いていくと思うと正直かなりつらいです。
私たち貧乏は子供のころから、欲しいおもちゃや本、好きな食べ物を満足に与えられて来なかった。
そのせいでクラスメイトの話題についていけなかったり、家庭環境のことをあーだこーだ言われたりした。
それでも「裕福になってやるぞ!」と自分を奮い立たせ、良い大学に行きバイトを週6日しながら研究生活を送り、良い会社に就職することができた。
でも待っていたのは1100万円の借金と、月5万円の返済。
安易に私立理系に進学した自分が悪いってことはわかっているけど、やるせない気持ちになります。
こんな思いをしないでほしいので、どうか奨学金を借りる前に、本当に借りていいのかを真剣に考えるようにして下さい。
文句を言っている暇なんてない。前向きに生きて行こう
借りてしまったものは返さなければいけないし、私は日本学生支援機構(JASSO)に感謝しています。
私の楽しかった学生生活は間違いなくJASSOのおかげで得られたもので、そこで妻に出会うこともできました。
また例え、国公立でも奨学金なくしては大学に進学できなかったので、今の生活があることに感謝し、生きていきたいと思います。
生活は決して楽ではないけれど、毎月少しずつ返済を頑張ります!
まとめ:奨学金を借りる前に必ず検討
もしこれから奨学金を借りようかなって思っている方は必ず次の5項目を検討してください。
奨学金を借りる前に検討すること
- これからの学生生活でいくらかかるのか計算して下さい
- 理系であれば国公立に進学して下さい
- 理系であれば文系に進学することも検討してください。
- 必要最低限の額(学費)を借りて下さい
- 奨学金は借金であることを理解して下さい
奨学金を返済しながらの生活は正直しんどいです。でもその道を選んだのは自分です。
どうかネガティブになるのではなく、ポジティブに生きてください。
そして奨学金を返済することになったら、「奨学金は繰り上げ返済せずに、その分投資に回して、利益分で返済すること」を覚えておいてください。
返済の話についてはこちらの記事で解説しています。