どうも、毎月10万円以上をS&P500に定期積立しているお金大好き夫婦です。
淡々と毎月積み立てるのは、すごくすごく楽なのですが、株価が調整したりすると、「定期積立なんてせずに今たくさん買えばよかった」なんてことを思ってしまう自分がいます。
とはいえ株価がどれくらい下がり続けるかを完璧に言い当てることは不可能だし、それを狙っても時間の無駄です。
そこで今回は「恐怖指数VIX」を使って、VIX指数がどれくらい上がったときにS&P500を購入すれば儲かるのかを検証していきたいと思います。
ただ先に結論を言ってしまいますが、
長期投資において、VIX指数でS&P500の購入タイミングを決めるのは全くのムダです。
VIXを見ながら購入タイミングをはかるよりも「定期積立」をしている方がはるかに良いリターンが得られることが今回の検証で明らかになりました。
この記事を読むことで、「定期買付した場合」と「VIXを見てスポット購入した場合」のリターンの差を知り、S&P500の最適な購入方法を学ぶことができます。
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
VIX指数で購入タイミングを決めるトレード方法
VIX(ヴィックス)とは株価変動率を表す指標です。Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略で、別名、恐怖指数とも呼ばれています。
VIXは向こう30日間のS&P500の価格変動を表したものです。
ちなみに、VIXの値を3.5で割ると向こう30日間の予想株価変動幅を知ることができます。
例えばVIXが30のときは、30÷3.5=8.5%となり、向こう30日間で8.5%ほど株価が変動すると予想していることになります。
株価は上昇するときよりも、下落するときの方が短期間で大きく動く傾向があります。つまり下落しそうな場面ほどボラティリティが大きくなります。
したがってVIXが大きいときは、より多くの市場参加者が株価の下落を想定していることを意味します。
VIXが恐怖指数と言われるのはそういう理由からだったんだね。
恐怖指数であるVIXが高いときは、市場参加者の心の中に恐怖があるということ。そういうときは株価の底が近いことから、株を買うタイミングとして使うトレーダーも多いよ。
株式の世界では、みんなが恐怖のどん底にいるときは”買い”となるケースが多いです。
みんなが恐れているときは、ほとんどの人が株を手放してしまっており、相場から退場する人が増えていきます。そうすると、少しの買い圧力があるだけで、株価がするすると上がっていくのです。
VIXが高いときにS&P500を買うことで、安くS&P500を手に入れようというのが今回の狙いです。
でも本当にVIXが高いときは株価が底になっているの?
今日は疑り深いね!じゃあ実際にS&P500とVIX指数のチャートを比べてみてみようか。
下の画像で、ローソク足で表示しているのがS&P500指数で、オレンジ色の線で表示しているのがVIX指数になります。
VIXが80を超えているところが「コロナショック」になります。このタイミングでは株価も大きく下落していることが分かります。
ただVIXが80を超えるというのは非常に珍しいことで、めったに起こりません。
感覚的にはVIXが35を超えると、市場には大きな恐怖が入っていると言えます。
例えば2018年の年末はVIXが35を超えて、株価も高値から20%近く下落しています。ほかにも2020年10月が40まで上昇していますが、このときは株価が10%ほど調整してから反発をしています。
こう見ると、VIXとS&P500ってちゃんと相関しているんだね~。
VIX指数が35を超えると、株価が反発するケースが多いね。
ただコロナショックみたいにVIXが35になっても、まだ底入れしていないケースもあることを覚えておいて!
シミュレーションの前提
VIXで投資タイミングを判断するのを「VIX」と表記することにします。
この投資方法では、毎日1500円(月約3万円)が投入され、現金として積みたてられてます。そしてVIXがある一定ラインを超えたら、積み立てていた現金をすべて株式購入にあてます。
一方、「定期」は毎日1500円で買えるだけ株式を買って、残ったお金は翌日以降の購入にあてる投資方法です。
ちなみに今回検討したETFはS&P500に連動する「SPY」というETFです。
条件 | 「定期」 | 「VIX」 |
購入タイミング | 毎日全額投資 | VIXが一定以上で全額投資 |
資金投入額 | 毎日1500円 | 毎日1500円 |
配当金 | 3,6,9,12月 | 3,6,9,12月 |
配当金再投資 | する | する |
期間 | 20年 | 20年 |
ドル円レート | 110円固定 | 110円固定 |
今回はETFを使ってシミュレーションをしましたが、投資信託でも同じような結果になるのでご安心ください。
VIXが35以上のときに購入 vs 毎日積立
それでは早速検証結果に移りたいと思います。
先ほどVIXが35を超えると、株価が底入れして反発しやすいという話をしたので、VIXが35を超えたときのみ購入した場合と定期積立をした場合のリターンを比較していきましょう。
「定期」のリターンが292%に対し、「VIX」のリターンは268%となりました。
もし総額100万円投資していたら、定期購入の方が24万円も多く利益を出している結果になりました。
VIX35のときは株価が下がっていることが多いはずなのに何で??
この原因は二つあるよ。
定期積立をした方が良いリターンが得られた原因は2つあります。
1つ目は早いタイミングでポジションを持ち続けているので、受け取った配当金の総額が多いことです。
2つ目は、VIXが35を超えたタイミングが確実に割安とは限らないからです。確かにその前後、1年間くらいでは割安ですが、それより前の株価と比較すると高い水準になっていることが多いです。
そのため、日々積立をしていた「定期」の方が結果として割安で購入できていたのです。
下のグラフは両者の保有ポジション数と受け取り配当金額を比較したものになります。
このグラフからも「定期」の方が早く・たくさんポジションを持っていることが分かります。その分、平均取得単価が下がり、受け取り配当金も多くなるのです。
以上、VIXが35以上になったときに購入する戦略は効果がなく、毎日積立の勝ちとなりました。
VIXが50以上のときに購入 vs 毎日積立
VIX35がダメなら、もっと高い50で購入すれば、割安で購入できるのではないかと考えました。
早速、結果を見ていきましょう。
「定期」のリターンが292%に対し、「VIX」のリターンは252%となりました。
ちょっとまったーー!さっきの結果よりも差が開いてるよ!!
本当だね。よくグラフを見ると2000年から2008年までは株を購入できていない、つまりVIXが50を超えることがなかったということが分かるね。
VIX指数が50越えというのを指標にすると、あまりに購入できるタイミングが少ないので、配当金を受け取る額が減ってしまったり、それこそ平均取得単価が高くなってしまう原因になってしまうことが分かりました。
今回も 毎日積立の勝ちとなりました。
まとめ:インデックスの長期投資は定期積立で行う(VIXで売買判断をしない)
結局、積立が最強。
今回の検証でVIXによってインデックス長期投資の購入タイミングをはかるのが困難なことが分かりました。
毎日(または毎月)積立購入するのが、一番楽だし、リターンも良い投資方法です。
最後にVIX35、50以外の結果も表で確認してみましょう。
購入判断(VIX) | リターン(VIX) | リターン(定期) |
25 | 264% | 292% |
30 | 267% | 292% |
35 | 268% | 292% |
40 | 280% | 292% |
45 | 292% | 292% |
50 | 252% | 292% |
55 | 214% | 292% |
60 | 243% | 292% |
65 | 261% | 292% |
70 | 259% | 292% |
75 | 259% | 292% |
80 | 251% | 292% |
唯一、定期積立と同じリターンになったのが、VIX45で購入した時でした。
しかし、今後もVIX45が適切になる保証はありませんし、何よりほとんどの場合で定期積立を行った方が有利なので、私は毎月積立投資を継続しようと思います。
記事のまとめ
- VIXは株価変動率を表す指標
- VIXが高いときは株価が底入れしやすい
- 長期投資ではVIX指数を指標に購入する戦略はNG
- 長期投資で高いリターンを得るには毎日or毎月積立が良い
お金大好き夫婦が行っているインデックス積立投資については下記記事を参考にしてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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