最近になってよく耳にするようになった「レバナス」。保有している方も多いのではないでしょうか。
「3倍レバレッジをかけているNASDAQのこと」ということは知っていたのですが、それ以上でも以下でもなく。3倍レバレッジなので、上昇局面では有利になるのはよく分かるのですが、下落局面ではやばくない?という疑問も。
今回はレバレッジETFにはどのような特徴があるのかについて、検証してみました。
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
レバレッジETFとは
まだ歴史の浅いレバレッジETF。
日本で初めて上陸したのは、2012年です。レバレッジとは「てこ」という意味で、その商品によってどれだけ「てこ」をきかせるかというのは異なります。
2倍レバレッジであれば、変動率は倍。レバレッジが効いている商品は、対象となっている指数などの2倍の変動率で値動きがするというものです。
日経平均が前日比3%上昇した場合、日経平均の2倍レバレッジ商品は6%上昇ということになります。
そうすると、NASDAQの3倍レバレッジのレバナスってやばくない?2021年NASDAQは約28%上昇してるから、レバナスだと84%!?長期で見ればNASDAQはまだきっと上がるから、早く買わないと!
落ち着いて!笑
そもそもレバレッジ商品は金融庁や東証も再三注意換気をしているほど、あまり投資初心者には向かないものなんだ。
でも、儲けてる人いっぱいいるんじゃないの?
確かにレバレッジ商品は上昇局面では、すごい数字を叩き出すから魅力的に見えるよね。でも、下落局面でも同じように変動率がかかるから、損失も大きくなりがちなんだ。
そっか。レバレッジが効いてるから、FXみたいに実際に投資した金額よりマイナスになるってこともあるんだよね。それは怖いな。
むやみに手を出すべき商品ではないけど、美味しい部分はもらいたい。安全にレバレッジETFを保有するために、まずはレバレッジETFの特徴を理解しよう。
上昇局面では強い
当たり前ではありますが、上昇局面には強く、同じ指数のレバレッジが効いていない商品と比較するとかなり上昇し、利益を見込めます。
こちらの表は、ある指数が連日1%上昇し続けたと仮定した時、基準となる指数とその3倍レバレッジのETFにどれだけ差が出るかをグラフにしたものです。
基準となる指数は毎日1%の上昇なのに対し、3倍レバレッジのETFは3倍なので3%上昇を続けるので、その差はどんどん開いていくのが分かります。
下落局面には弱い
対して下落局面になると基準となる指数よりも下落率は大きくなるため、株価は急激に下がってしまいます。
こちらの表は、先ほどの上昇局面とは逆で、ある指数が連日1%下落し続けたと仮定した時、基準となる指数とその3倍レバレッジのETFにどれだけ差が出るかをグラフにしたものです。
基準となる指数は毎日1%の下落するのに対し、3倍レバレッジのETFは3%下落を続けます。
レバレッジETFは早い段階で株価がゼロに近づいているのが分かります。
横ばい期間はどうなる?
続いて気になるのが横ばい期間。このような局面でレバレッジETFを保有するのは効果的なのでしょうか。
ある指数が1%の上昇と下落を繰り返したと仮定した時、基準となる指数とその3倍レバレッジのETFにどれだけ差が出るかをグラフにしたものです。
ご覧の通り、基準となる指数は変わらないにも関わらず、レバレッジETFがジリジリ下げる結果となります。
え!?なんで?3%上がって3%下がるのが続くと、どうして1%上がって1%下がるより価格は低くなっちゃうの?
基準となる指数のスタートを100だとすると、1%上昇することで101になるね、翌日はその1%下落だから99.99になる。さらに次の日は99.99の1%上昇だから100.99になるんだ。レバレッジだとどうなるか分かるかな?
レバレッジETFだと、、、100が3%上昇して103。103が3%下落すると99.91になる。次の日は99.91の3%上昇だから102.91になるよ。
何か気がつかない?
そうだなあ。
あ!レバレッジETFの場合は基準指数と比べて上値がより切り下がってる!
そうだね。株価の上下を繰り返すほどレバレッジETFの価格は減少し、100日後には原資産が100.50に対して、レバレッジ3倍は98.55になるんだ。
ということは、レバレッジETFは一旦下がるとプラ転が難しいってことなんだね。
そのとおり。ちょっとはレバレッジETFの特徴が分かってきたかな?
ちなみにこれは、運用報酬などの控除を配慮しない状態でのシミュレーションです。レバレッジETFは基準となる指数と比較して運用報酬が高いので、それも加味すると、さらに基準指数との比較で負けてしまう結果になります。
レバレッジETFの買い時
基本的に株価が下がったほうが、人は株を買いたくなるので、レバレッジETFも下落相場で買い時か?と買う人がいます。
目論見通り買値が底で、その後上昇トレンドに入れば買い時に正しく買えたことになります。
しかし、トレンド変換を的確に捉えるのは難しいもの。底値だと思って買ったらさらに下がる、そして上昇局面には入らずに横ばい期間に突入!なんてことになれば、多くの含み損を抱えつつ、高い運用報酬を払うことになってしまいます。
レバレッジETFの特性を思う存分使って稼げるのは上昇トレンドの時。底値で買おうとせずに、上がっているところを買って、さらに上がったところでサクッと売るのが良い使い方ではないかと思います。
そもそもレバレッジを効かせる旨みって、短期間かつ比較的少額で儲けを多くするのに有効だもんね。お金が沢山あるなら、資金を3倍にして基準になる指数を買えば良いんだもんね。
そうだね。だからレバレッジETFっていうのは、本来は長期保有するものではないと考えているよ。
レバレッジETFのつみたて
次に疑問に思ったのが、レバレッジETFでつみたて投資をした場合どうなるのかということ。
ドルコスト平均法で長期的に価格変動リスクを低くした上で、基準となる指数の長期的な成長を見込んで積み立てると、どうなるのでしょうか。
ドルコスト平均法:価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法
結論から言うと、大暴落があったとしても20年ほど長い目で見ることができれば、しっかりと利益を生むことが出来るという結果になりました。
一度に多額購入をして長期保有した場合VS単調なつみたてで比較シミュレーションをしたので、それはまた別記事でご紹介します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。簡単な内容でしたが、レバレッジETFへの投資を考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
我が家は月15万円とボーナス全額を投資に回していますが、レバレッジETFは未保有。余剰資金が出来て、上昇局面になれば買ってもいいかなぁ、と思っています。
私もちまたで人気のレバナス(NASDAQの3倍レバレッジ)で大儲けしたい。
また安直なことを。。。我が家は財政難だし、今は買えないよ!NASDAQは2021年好調過ぎたから一旦調整入るような気がしてちょっと怖いし。ガス抜きして、また上昇局面に入った時に買えるように、今は軍資金を膨らませよう。
記事のまとめ
- レバレッジETFは上昇局面にめっぽう強い
- レバレッジETFは下落局面と横ばい期間に弱い
- 運用報酬が高いため、基本的に長期保有には向かない
- 買うなら上昇局面の時に買って、早めに売る