株の勉強を少しすると「損切が大切」「損切できるようになってから勝てるようになった」という意見をよく耳にするようになります。
私も株を初めてしばらくは損切りが全然できませんでした。
そのまま損切できず、いわゆる塩漬け状態にしていると、ある傾向が分かりました。
それは、
「含み損が大きくなった株はもとの株価まで戻らないことが多い」
ということです。
塩漬け (しおづけ)
塩漬けとは、現在の価格が買い値よりも下がっていて、売ると損が出る状態であるために、やむをえず長期保有していることをいい、特に株価が近い将来も上がりそうにない銘柄を持っている場合によく使われます。
SMBC日興証券(https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/si/J0060.html)
実は含み損は大きくなればなるほど、±ゼロまで戻る確率が小さくなってくるのです。
だからこそ「損切り」は重要な戦法となります。
この記事では、損切りがいかに重要かが分かる一つの表をお見せします。
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
損切をすべき最大の理由
今回お見せする表は、損失を出したときに、その損失を取り戻す(±0にする)ために必要な利益率を計算したものになります。
まずは次の表を見てください。
損失 | 損失を取り戻すために 必要な上昇率 |
-5% | 5% |
-10% | 11% |
-15% | 18% |
-20% | 25% |
-25% | 33% |
-30% | 43% |
-35% | 54% |
-40% | 67% |
-45% | 82% |
-50% | 100% |
見方は簡単で、例えばいま10%の損失が出ている株があるとします。
この株を持ち続けて損失をゼロにするためには、「損失-10%」の右欄に記載してある「11%」だけ持ち株が上昇する必要があることが分かります。
損失-20%だったら、25%も利益をださなきゃいけないってこと?
落ちた分と同じだけ戻ればいいってわけじゃないんだね。
そうなんだよね。意外とこれに気が付いてない人が多いんだ。
1000円で買った株が‐50%の500円になったら、もとの1000円に戻るためには+100%にしなきゃいけない。
でも株価が倍になる株ってそうそう見つけることができないよね。見つけるのも苦労するのに、なおさら今持ってる株が倍になるなんて、ほとんどありえない話になっちゃう。
じゃあ損切が遅れた分だけ、取り戻すのが難しくなっちゃうんだね。
恐ろしすぎる。。
先ほどの表をグラフにしてみました。
このグラフを見ると損失が大きくなればなるほど、±0に戻すのに必要な株価上昇率が大きくなることが分かります。
言い換えると、損失が大きくなるほど、損を取り戻すのが難しくなるってこと。
ほとんどの投資家が10%で損切するって言っているのには理由があったんだね。
10%までなら、11%で損を取り戻せるから、これなら私でもなんとかできそう。
以上のことから、損切をすべき最大の理由は「損が大きくなるほど、損を取り戻すのが難しくなるから」です。
傷口が大きいほど、治りが遅いのと同じですね。
他にも損が出ている株は「株価が落ちているだけの理由がある」と考えるのが自然な考え方です。
ただ自分が選んで買った株だと、「不当に売られている」「明らかに割安だ」「絶対に戻るから今損切するのはもったいない」と考えてしまいます。
こういう考えで損切ができなくなってしまうと、傷口が広がってしまいます。
心当たりのある方は損切ラインを決めておくと良いでしょう。
損切ラインの決め方
損切ラインを決めるにはいくつか方法があります。私が実際にトレードで採用している方法を2つご紹介します。
損切ラインの決め方
- 購入理由から外れたときに損切する
- -10%になったら損切する
購入理由から外れたとき
株を購入するときは必ず、なぜ今そのタイミングで買うのかを考えるようにしましょう。
そしてそのとき買った理由から外れたとき(間違えていたとき)に損切するようにしてください。
例えば、上昇トレンドを続けている株を見て、上昇が続くと判断して買ったのであれば、買う前に見ていた上昇トレンドを下回ったときに売却するべきです。
次のチャートで説明すると、青色の上昇トレンドに惚れて赤丸で購入したのであれば、それをブレイクした青丸のタイミングで売却し損切すべきです。
ほかにも売上高成長率が毎四半期ごとに上昇し続けている株に惚れて買ったのであれば、四半期での成長が鈍化したタイミングで売却すべきです。
このように「買う理由」と「売る理由」をセットで考えると、非常に合理的なトレードをすることができます。
また買うときに、あらかじめ売る基準を決めておきましょう。
買うときにきちんと決めておかないと、いざ売らなきゃいけない場面に遭遇しても、上がりそうだから・・・という理由で損切できないなんてことになりかねません。私自身何度も経験があります。
損失が基準値を超えたとき
基本的には、先ほど説明したように買う理由と売る理由を明確にしてトレードをするべきです。
ただ実際にトレードしていると、売る理由が明確になるときには、損失が大きくなりすぎてしまう場面があります。
特に企業業績や経済環境を理由に購入したときは要注意です。
理由は簡単で、企業業績が下がる前から株価は下がり始めるからです。
株価は先見性があり、足元の業績は堅調でもなぜか株価は下落し始めるということが往々にしてあります。
この場合は業績が悪化してから損切すると、30%以上もの損失を出てしまうこともあります。
こうしたことを防ぐためにも、具体的に何%下がったら損切をするか決めておくと良いでしょう。
最初の表を見返してもらえれば分かりますが、損失が10%より大きくなると、取り戻すのに大きな株価上昇が必要となります。
そこで損切り目安となるのが「-10%」です。
まずは‐10%を損切ルールにしてみて下さい。
ただし人それぞれトレード手法が異なるので、少しずつ自分にあったルールに変えていってください。
レバレッジなしの長期投資であれば‐10は早いので、-15に広げるなど。
逆にデイトレードであれば‐3%とかでもいいかもしれません。
みんなにちょうどいい損切ラインっていうのはないんだね。
ちなみに我が家は何%?
個別株投資は‐10%で運用しているよ。
でも実は最近-20%まで持ってしまって大損してしまったんだ。。
自分への戒めのために今回この記事を書いたってわけ。。
こら~!!!しっかり!!!
頼むよ我が家の財務大臣!
まとめ:損切が遅いと損失を取り戻すのが難しくなる
今回はなかなか実践できない「損切」について解説してきました。
ここまでの内容を振り返っていきましょう。
記事のまとめ
- このグラフを見ると損失が大きくなればなるほど、±0に戻すのに必要な株価上昇率が大きくなる
- 損切ラインはあらかじめ設定しておく
- 購入理由から外れたときに損切する
- -10%になったら損切する
早めの損切を心がけましょう。損失が小さければ必ず取り返せます!
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