「奨学金といえば、借金。
借金といえば繰り上げ返済をしなければいけない。」
そう考えていた私は、大学卒業後、最初のボーナスを奨学金の返済に充てました。
でもお金のことをたくさん勉強して、20代にして2000万円近い資産を形成した今は「なんてもったいないことをしたんだ」と後悔しています。
記事の結論を言ってしまうと「奨学金を繰り上げ返済することで30万円を手にするチャンスを捨てる」ことになるのです。
私のように奨学金を借りている人の生活が少しでも楽になってほしいという願いでこの記事を書いたので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
大学と大学院に進学し、1000万円以上の奨学金を返済中の夫です。
奨学金を借りている人が貧乏から抜け出すための一歩になれるように分かりやすく説明します。
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
奨学金を繰上返済すると30万円も損をする
繰り上げ返済と投資の比較をしていく前に、最近の奨学金の金利を見ていきましょう。
以下の表は日本学生支援機構の第二種奨学金の貸与利率になります。
利率固定方式 | 利率見直し方式 |
0.268% | 0.006% |
住宅ローンの変動金利でも0.4%前後だから、奨学金は金利がすごく低いんだね。
そうそう。奨学金は借金といえば借金なんだけど、学業のための借金なだけあって、ほとんど利子なく借りることができる制度なんだ。
上記表は第二種の金利なので、「第一種奨学金」を借りている人はもちろん無利子です。
つまり早くお金を返そうが、返さまいが、トータルで返済するお金はまったく変わりません。
したがって第一種奨学金を繰り上げ返済するメリットはありません。(借金がなくなることで精神的に少し楽になる?くらいでしょうか)
繰上返済と投資を比較するための条件
今回は奨学金を借りている人の一般的なケースをもとに比較をしていこうと思います。
そこで奨学金に関するアンケート結果を見ていくと、
- 奨学金の平均借入額:312.9万円
- 平均返済期間:14.1年
ということが分かりました。
上記から決めた今回の計算条件がこちらとなります。
前提条件
- 借り入れ金額:313万円
- 借り入れ期間:14年
- 金利:0.3%
- 繰り上げ返済:毎年12月に20万円繰上返済
- 投資による利回り:株式5%
繰上返済分のお金を投資すると30万円も得
それでは早速、「繰上返済したときの利益」と「その分のお金を投資したときの利益」を比較していきたいと思います。
投資による利益 | 繰上返済の利息削減 | 差 |
346,586円 | 29,985円 | 316,601円 |
投資による利益が35万円に対し、繰り上げ返済の利益はたったの3万円でした。
実に10倍の差があることに!
奨学金は金利が低いから、繰り上げ返済しても全然お得にならないんだね。
3万円のために繰り上げ返済をするくらいならリスクをとって投資したいな~。
だいぶ投資の良さがわかってきたみたいね。
今回は借り入れ額313万円で計算したけど、私みたいにもっと多額の奨学金を借りている人は、さらに投資と繰り上げ返済の差が開いていくので、絶対に繰上返済はしない方が良いです。
おすすめ投資先:全世界に投資する投資信託
奨学金の繰り上げ返済をしちゃだめってのは分かったけど、具体的に何に投資したらいいか分からないよ。
投資っていうと難しく感じるかもしれないけど、実はとても簡単だよ。
全世界に投資する「投資信託」があるから、それを定期的に購入すればOK!
奨学金の繰り上げ返済用に貯めておいたお金は「全世界に分散投資する投資信託」の購入資金に充てましょう。
特に「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は諸費用が非常に安いうえに、多くの人が投資しているファンドなので安心です。
上記の投資信託は年間平均リターンが5%以上あるので、先ほどのシミュレーション通りの結果を得ることができます。
またかつての日本のように、どこか一つの国の成長が止まってしまっても、全世界に投資しておけば、大きな打撃を食らうこともないので安心して保有し続けることができます。
ちなみに私たちは全世界ではなく米国に投資する投資信託を購入しています。
この理由は米国株以外にも様々な投資を行っていて、すでに分散できているからです。
これから投資をはじめようという方には安全性から「全世界投資」が良いと考えています。
投資信託への投資については以前別記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしてください。
奨学金を繰上返済しないことのデメリット
ここまで記事を読んで、「でもやっぱり借金である奨学金は繰り上げ返済した方がいいんじゃないの?」と思われる方もいるのではないでしょうか。
私の経験をもとに奨学金を完済していないことで、感じたデメリットをお伝えします。
デメリット
- 結婚するときに相手の親に反対される
住宅ローンには影響しない車のローンにも影響しない
実は奨学金を繰り上げ返済しなかったことで感じたデメリットは一つしかありません。
最初はローンにも影響するのでは?と思ってたのですが、全く関係ありませんでした。
1000万円以上の奨学金をかかえていながら、今までに感じたデメリットは「結婚時の相手親の顔色」くらいでした。
やはり恵まれた環境で育った人にとって奨学金はちょっと・・・という存在みたいで、本当は完済してから結婚してほしかったみたいです。
こればっかりは価値観の違いなので、どうしようもないところです。
ただ私は無事結婚しましたし、もちろん繰り上げ返済をするつまりは全くありません(笑)
あと奨学金があることで、家を購入するときに不利になるんじゃないかと不安に思う方もいるのではないかと思います。
これは全く関係ありません。
私自身、住宅を購入した経験があるので間違いありません。契約をするまえに借り入れを書く項目があって、担当者さんに「奨学金は記入した方がいいですよね?」と聞くと、「奨学金は書かなくて大丈夫です。旦那さんの心の中だけに閉まっておいてください」といわれました。
まとめ:奨学金は繰り上げ返済しない、代わりに投資すべし
今回の内容を最後に振り返っていきましょう。
記事のまとめ
- 無利子の奨学金は繰り上げ返済するメリットはなし
- 有利子の奨学金でも繰り上げ返済するより投資した方が30万円得をする
- 投資先は「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が良い
- 筆者が感じた繰り上げ返済しないデメリットは「結婚時の相手親の顔色」のみ
奨学金を借りて勉強した分、賢く投資するようにしましょう!
わたしたち夫婦は節約と投資で1億円を手に入れることを目標に日々奮闘しています。投資結果はすべて公開しているので、資産形成の参考にしてください。