FXときくと、ギャンブルみたい・損しそうで怖いというイメージを持たれる方も多いと思います。
ずばり、その感覚は正しいです!
今回ご紹介するトラリピは設定方法によって、非常にハイリスクな投資法になります。
ただ投資方法をしっかり理解したうえで、設定を考えることでリスクをおさえながら高利回りを得ることができます。
とはいえ、これまでと同じ為替相場が今後続くとは限らないので、「絶対に損をしたくない」という方には不向きです。
トラリピはあくまでリスクをかかえた投資法ということを前提にこの記事をお読みください。
この記事を読むことでトラリピが実際どれくらい利益を上げているのか、またトラリピの設定方法と必要資金について理解できるようになります。
リスクがある分、リターンは大きめになります。余裕資金で投資をしており、短期間で資金を増やしたい私にはピッタリの投資法です。
リスクに対する考え方も解説してね!
りょうかい!
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
トラリピとは
トラリピとは「イフダン」「リピート」「トラップ」の3つを組み合わせたトレード手法です。
イフダン?リピート?トラップ?聞きなれない言葉ばっかり。。
わかりやすく一つずつ説明するね!
「イフダン」とは「If done」の略で、「もしもこうなったらこうしてね」というFXの注文方法です。
イフダンのイメージ
具体的には買いや売りの注文をした際に、決済の注文もだしておけるのです。
一度の注文で買い(売り)と決済の両方を注文できてしまうのです。
イフダンを設定した後に、決済が完了すると、普通は再度同じ条件でイフダンの注文を行う必要があります。
それだといちいち手間になってしまうので、決済が完了したら再度同じイフダンを発注してくれるのが「リピート」です。
リピートのイメージ
最後にいくつものイフダン注文をまとめて設定できるのが「トラップ」です。
トラップのイメージ
つまりトラリピは網状にたくさんの注文をしかけて、自動で売買してくれる手法なのです。
幅広いレンジで注文をしかけておけば、相場を逐一チェックしなくても、自動で利益を積み重ねてくれます。
トラリピはマネースクエアの特許技術なので、トラリピを利用するにはマネースクエアに登録する必要があります。
ポイント
トラリピはイフダン×リピート×トラップを組み合わせた自動売買トレード手法
- イフダンとは
- 新規注文と決済注文を同時に出すこと
- リピートとは
- 同じ条件のイフダンを繰り返すこと
- トラップとは
- イフダン注文をまとめて注文できること
トラリピの運用実績
トラリピについては何となくわかってきた!実際どれくらい稼げるのか知りたいな。
設定方法によって利益率は大きく変わってくるけど、大暴落がきても大丈夫な設定にすると約16%ってところかな。
私が組んでいるトラリピはリーマンショック級の暴落に耐えられるような安全目の設定になっています。
その分、想定利回りは15%前後とFXにしては低めになっています。
ただ利回りが15%もあれば投資としては十分すぎると思っているんで、あまり欲張らずに今のリスク管理のまま運用を続けようと思っています。
こちらが現在運用中のトラリピ実績です。棒グラフが確定した利益で、折れ線グラフで表示しているのが含み損や総合損益です。
2020年2月から始めて、いきなりコロナショックが直撃したにも関わらず、ほとんど総合損益がマイナスになることなく、利益を上げ続けてくれています。
コロナショックで株式が大暴落して、含み損が一気に増えた人も多い中、トラリピは含み損を最小限に抑えつつ、安定して利益を積み重ねてくれています。
株式はショックが起こると、どんな銘柄でも同じ方向に動いてしまいますが、為替は違います。
為替は2つの国の経済情勢が絡み合って動くので、株式のように一気に片方に動くということは少なく、常にあるレンジ内で上下を繰り替えす動きになります。
したがって為替は自動売買に最適なのです。
トラリピの設定方法とリスク管理
私は現在「CAD/円」「NZD/USD」「AUD/円」「AUD/NZD」「EUR/円」「EUR/GBP」「NZD/USD」の7通貨を運用しています。
ひとつの通貨に集中投資するとレンジを外れた場合に多額の含み損が発生してしまうリスクがあるので、なるべく多くの通貨に分散してリスクを低減させています。
それぞれの通貨の設定方法とリスク管理について説明していきます。
CAD/円の設定
CAD/円の設定条件はこちらの通りです。
設定(CAD/円) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 94.8 | 119.8 |
MIN | 70.8 | 95.8 |
トラップ幅 | 0.8 | 0.8 |
利益幅 | 800 | 800 |
トラップ本数 | 31 | 31 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
ロスカットレートをレンジ上・下限に設定すると安全運用資金は46万円となります。
しかし我が家ではこの安全運用資金は過剰すぎると判断し、46万円の60%である28万円で運用を行っています。
ポイント
- 安全運用資金=単一通貨運用時にレンジ内にロスカットレートがこないために必要な資金
- 必要資金=安全運用資金×0.6
複数通貨運用を前提としたとき、安全運用資金は過剰になるので、必要資金を入金したら設定を追加することにする。
必要資金の考え方については、このあとの「利益率を高める戦略」で詳しく説明します。
運用資金が56万円ある人はトラップ本数を倍にして、トラップ幅を0.4に設定するとリスクは変わらず運用資金を増やすことができます。
運用資金を倍にするたびに、トラップ本数を倍にしていくと覚えておいてください。
私は徐々に資金を追加していったので、まずは28万円で上記設定を組んで、利益+入金が28万円になるたびに、新たなトラップを追加していきました。
上記設定範囲と過去15年間のチャートを比べてみると、ちょうどレンジの上下限が収まるような設定になっています。
これによりレンジが大きく動いても利益を取りこぼすことがなくなります。
EUR/円の設定
EUR/円の設定表です。レンジ設定についてはCAD/円と考え方が同じなので以降省略します。
設定(EUR/円) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 120.0 | 150.0 |
MIN | 91.2 | 121.2 |
トラップ幅 | 0.8 | 0.8 |
利益幅 | 1000 | 1000 |
トラップ本数 | 37 | 37 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
レンジ上下限がロスカットレートになるときの安全運用資金は67万円でした。
67万円に0.6をかけた「42万円」が必要資金になります。
EUR/GBPの設定
EUR/GBPの設定表です。
設定(EUR/GBP) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 0.800 | 0.950 |
MIN | 0.664 | 0.814 |
トラップ幅 | 0.008 | 0.008 |
利益幅 | 7ポンド | 7ポンド |
トラップ本数 | 18 | 18 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
レンジ上下限がロスカットレートになるときの安全運用資金は27万円でした。
27万円に0.6をかけた「17万円」が必要資金になります。
AUD/NZDの設定
AUD/NZDの設定表です。
設定(AUD/NZD) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 1.144 | 1.294 |
MIN | 1.008 | 1.158 |
トラップ幅 | 0.008 | 0.008 |
利益幅 | 7NZドル | 7NZドル |
トラップ本数 | 18 | 18 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
レンジ上下限がロスカットレートになるときの安全運用資金は18万円でした。
18万円に0.6をかけた「11万円」が必要資金になります。
AUD/円の設定
AUD/円の設定表です。
設定(AUD/円) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 79.8 | 109.8 |
MIN | 51.0 | 81.0 |
トラップ幅 | 0.8 | 0.8 |
利益幅 | 800 | 800 |
トラップ本数 | 37 | 37 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
レンジ上下限がロスカットレートになるときの 安全運用資金は61万円でした。
61万円に0.6をかけた「37万円」が必要資金になります。
NZD/USDの設定
NZD/USDの設定表です。
設定(NZD/USD) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 0.700 | 0.900 |
MIN | 0.508 | 0.708 |
トラップ幅 | 0.008 | 0.008 |
利益幅 | 7ドル | 7ドル |
トラップ本数 | 25 | 25 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
ロスカットレートをレンジ上・下限に設定すると安全運用資金は34万円となります。
34万円に0.6をかけた「21万円」が必要資金になります。
加ドルと同様に運用資金を倍にできる人はトラップ幅を半分の0.004ドルにすれば同じリスクで運用ができます。
加ドルと比べて、/USDになっているため、とっつきにくい方も多いと思いますが、段々なれてくるので、あまり気にしないでください。
NZドルも加ドルと同じような設定方法にしています。
過去15年分のチャートの上下限がレンジ内に収まるように設定を組みました。
NZD/円の設定
NZD/円の設定表です。
設定(NZD/円) | 買い | 売り |
注文数 | 0.1万 | 0.1万 |
MAX | 69.8 | 94.8 |
MIN | 45.8 | 70.8 |
トラップ幅 | 0.8 | 0.8 |
利益幅 | 800 | 800 |
トラップ本数 | 31 | 31 |
決済トレール | 設定なし | 設定なし |
ストップロス | 設定なし | 設定なし |
レンジ上下限がロスカットレートになるときの安全運用資金は43万円でした。
43万円に0.6をかけた「26万円」が必要資金になります。
利益率を高める戦略
レンジの上下限をロスカットレートにすると、一つの設定を組むのに結構な金額が必要になってしまうことが分かりました。
EUR/円なんて設定をひとつ追加するのに67万円もかかってしまうんだね。
これじゃあ複利を効かせるのは難しそう。。
そうなんだよね。でもすでに対策を実践しているよ。
我が家は複数の通貨で分散投資をしているから、一つ一つの通貨で計算した安全運用資金よりも少ない金額で運用できるんだ。
直近のコロナショックでは相場が急変し、レンジ上下限に達した通貨が存在しました。
たとえばEUR/GBPのコロナショック時のチャートを見てみましょう。
レンジの上限ぴったりまで動いているね。
このときはさっき計算した安全運用資金がまるまる必要になるね。
一方、CAD/円はコロナショックのピーク時でもレンジ上下限には到達しませんでした。
レンジ下限まではまだまだ余裕があるところで反発してる!
同じコロナショックでも通貨によって動きが全然違うんだね。
そうそう。今回のケースではEUR/GBPでは安全運用資金が全額必要だけど、CAD/円はもっと少な目の資金で耐えることができたんだ。
コロナショックでは50%の必要資金で運用可能だった
実際に私たちが運用していた6通貨の設定で、コロナショックのときにどれだけ含み損を抱えたかを計算してみました。
(現在は通貨数を増やしていますが、結果はあまり変わらないので変更していません)
まずは各通貨ともに、ロスカットレートがレンジ上下限にくるときの安全運用資金を計算してみました。
通貨 | 安全運用資金 | 設定本数 | 必要資金 |
CAD/円 | 460000 | 4 | 1840000 |
EUR/円 | 670000 | 2 | 1340000 |
EUR/GBP | 270000 | 4 | 1080000 |
AUD/NZD | 180000 | 4 | 720000 |
AUD/円 | 610000 | 4 | 2440000 |
NZD/USD | 340000 | 1 | 340000 |
合計 | ー | ー | 約780万円 |
この計算では、我が家は780万円のお金を準備しておく必要があります。
ところが実際、コロナショックがおきたときに必要だった資金はこのようになりました。
コロナショックの必要資金
- 最大含み損:270万円
- 最大必要資金:380万円
安全運用資金が780万円だったのに対し、本当に必要だった資金は380万円と約半分でした。
半分の資金は余剰に入れていただけってこと。
守りすぎの設定は利回りを下げるから、必要資金を見直す必要があるな。
複数通貨で運用する前提であれば、それぞれの通貨のレンジ上下限がロスカットレートになるように資金を入れる必要はありません。
我が家ではコロナショックから+αの下落があると考え、安全運用資金に安全率80%をかけた60%の資金で運用することにしています。
必要資金=安全運用資金×0.6
この計算式で求めた各通貨ごとの必要資金を表にまとめておきます。
通貨 | 必要資金 |
CAD/円 | 28万円 |
EUR/円 | 42万円 |
EUR/GBP | 17万円 |
AUD/NZD | 11万円 |
AUD/円 | 37万円 |
NZD/USD | 21万円 |
NZD/円 | 26万円 |
ちゃんとシミュレーションすることで色々なことが分かるんだね。
実はもう一つ分かったことがあって、過去5年間、我が家の設定で運用したときの利益率は16%だったんだ。
設定追加するときの注意点
この利益率を高めるための戦略はあくまで複数通貨に分散することでできる技です。
したがって、設定を追加するときに、特定の通貨だけに集中しないように気を付けてください。
例えば、7通貨をすべてひとつずつ設定したあとは、CAD/円→EUR/円→EUR/GBP→AUD/円→・・・→CAD/円といった具合に各通貨を一つずつ追加設定していってください。
私が設定を追加するときは以下の順番で行っています。
設定追加の順番
AUD/NZD→EUR/円→NZD/円→EUR/GBP→CAD/円→AUD/円→NZD/USD
▽この理由については別記事で解説しているのでご参考に。
トラリピはリスク管理を忘れず運用をしよう
トラリピはほったらかし投資ができるとか言われていますが、リスクをとった運用方法をしていると、ほったらかしている間にロスカットしてしまいます。
それを防ぐためには、過去の暴落時を参考に必要な資金を入金しておくことが大切になります。
しかし、あまりに守りに徹した設定は無駄になってしまうことが多いので、複数通貨運用でリスク分散しながら利益を上げられるようにしましょう。
記事のまとめ
- トラリピは毎月安定的に資産を増やしてくれる自動売買
- 単一通貨で運用するときはロスカットレートがレンジ上下限にくるようにする
- 複数通貨に分散することで、ひとつひとつの通貨に必要な資金が減る
▽トラリピ口座の開設方法も記事にしていますのでご参考までに。
お金大好き夫婦はトラリピとトライオートETFで自動売買を行っています。
運用実績は毎週公開しているので、ご興味ある方はこちらの記事もどうぞ。