現在は新規発注停止となってしまったTQQQに代わる稼ぎ頭となる銘柄を探すため、有望銘柄を分析しました。
分析はあくまで過去のデータから最適な答えを探す作業なので、これが今後も最適解となるわけではありません。それでも闇雲に銘柄選定するよりはずっと良いだろうということで分析したところ、ある程度明確な答えを見つけることができました。
このブログをみてくださった方には結果を共有しますので、銘柄選定の参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いた人
- 共働き夫婦(夫29歳、妻28歳)
- 資産1900万円を運用中
- 2021年の年間投資成績+200万円
- 自動売買・個別株・仮想通貨など幅広く投資
TQQQ新規発注停止
トライオートETFを運用しているほとんどの人がナスダックトリプルTQQQで運用しています。TQQQはナスダック100の3倍の動きをするETFなので、値動きが激しく、年利20~40%のものすごい利益をたたき出しているようです。
TQQQすごいねえー!わたしたちもこれを運用してみようよ。
残念だけどTQQQはすでに新規発注停止になってしまったから、俺たちは運用できないんだ。。
そのTQQQが2021年7月31日に新規発注停止となってしまいました。アルケゴスの問題が関係していたのかは分かりませんが、過度なレバレッジは破産の可能性もあるので規制が厳しくなっているようです。
わたしのような新規参入者はTQQQでの運用ができないため、同じような境遇の方の参考になるようにTQQQに代わる優良銘柄を探してみました。
今回分析した有力銘柄一覧
TQQQの利益率が高かった理由として、
- 一日の値動きが激しい(ボラティリティが高い)
- 長期的に上昇トレンド
この2つが考えられます。
そこでこの2つに当てはまりそうな銘柄をピックアップし、比較分析してみました。
ティッカー | 銘柄名 |
1570 | 日経レバ |
FAS | 金融株トリプル |
IWM | ラッセル 2000 ETF |
QQQ | ナスダック100 |
SSO | S&P500ダブル |
XLK | テクノロジー株 |
XLY | 一般消費財株 |
VWO | バンガード新興国株 |
ARKK | 破壊的イノベーション |
TQQQと同じようにレバレッジをかけたETFや長期的に上昇が期待できるテクノロジー関連、小型・新興国株を選びました。
2020年からの値動き
9銘柄の2020年からの値動きをチャートにしてみると、銘柄によって上昇率が大きく異なることが分かります。
新興国株のVWOは2020~2021年にかけてほとんど株価が上昇してません。一方でレバレッジETFであるSSO,FAS,日経レバは大きく上昇しています。
意外だったのが、ARKKやXLK、QQQといったテック銘柄がレバレッジETFにも負けない上昇率をたたきだしていることです。
新興国株は意外と値動きが安定していて、自動売買に不向きな気がするね。
そうだね。イメージと実際の値動きは違いことが分かったから、詳しく分析する必要がありそうだ。
9銘柄を過去データから比較分析
トライオートETFに最適な銘柄を探す上で、
- 上昇率(値上がり率)
- ボラティリティ
- 総推移
- ショック時の下落率
を考える必要があります。まずは一つ一つ銘柄分析していきましょう。
ボラティリティで比較
トライオートETFでは、価格の変動が大きいほど、決済される回数が増えるので、利益率が高くなります。
したがって単純に値上がりだけで比較しても、一番稼げる銘柄を見つけることはできません。
そこで日足の変動率(トゥルーレンジ)を求めて大きい順に並べ替えてみました。
ティッカー | 銘柄名 | 日足変動率 |
FAS | 金融株トリプル | 4.39% |
ARKK | 破壊的イノベーション | 3.06% |
1570 | 日経レバ | 2.91% |
SSO | S&P500ダブル | 2.83% |
IWM | ラッセル 2000 ETF | 2.02% |
XLK | テクノロジー株 | 1.89% |
QQQ | ナスダック100 | 1.84% |
XLY | 一般消費財株 | 1.67% |
VWO | バンガード新興国株 | 1.48% |
やはりレバレッジETFが上位にきます。ただこれはレバレッジをかけているのであたりまえっちゃあたりまえの結果です。
ここで注目してほしいのが下位にあるVWO、XLYです。この二つは値上がり率も大きくないですし、ボラティリティも低いことがわかったので、残念ながら検討対象から外しても良いでしょう。
トゥルーレンジ(TR)とは?
・ 当日高値-当日安値
・ 当日高値-前日終値
・ 前日終値-当日安値
以上のうち値が最大のもの
総推移で比較
自動売買の利益率を考えるうえで大切なのが「総推移」です。総推移が大きいほど、決済頻度が増えるので利益率が上がります。
総推移に関しては、FXの自動売買「トラリピ」で詳しく解説してありましたので、上記画像を引用させていただきました。
総推移はある期間内の値動きをすべて足し合わせたものになります。移動した距離って考えるとわかりやすいかな。
移動した距離が多いほど決済回数が増えるから大事な指標ってわけだね!
この総推移を9銘柄で比較した結果がこちらになります。
ティッカー | 銘柄名 | 1年総推移 |
FAS | 金融株トリプル | 4081% |
ARKK | 破壊的イノベーション | 1920% |
1570 | 日経レバ | 1876% |
SSO | S&P500ダブル | 1469% |
IWM | ラッセル 2000 ETF | 996% |
QQQ | ナスダック100 | 906% |
XLK | テクノロジー株 | 804% |
XLY | 一般消費財株 | 728% |
VWO | バンガード新興国株 | 617% |
あれれ?ボラティリティの結果とほとんど同じな気がするよ?
よく気が付いたね。実はQQQとXLKの順位が変わっただけなんだ。
総推移はボラティリティの合計ともいえるから、どちらか一つを指標として考えればOKだね。
総推移とボラティリティの結果はほとんど同じになりました。総推移は一日の変動量を足し合わせたものなので、ボラティリティを表しているといえるのでしょう。
ショック時の暴落率で比較
ここまでの結果をみるとレバレッジETFが有利なことが分かりました。しかしレバレッジETFの方がショック時の下落率も大きくなるので、必要資金が大きくなります。
したがってショック時の暴落率を考慮する必要があります。
ここでは過去もっと下落したときの下落率を月足のヒストリカルデータから求めました。
ティッカー | 銘柄名 | 最大下落率 |
FAS | 金融株トリプル | 92.9% |
SSO | S&P500ダブル | 86.0% |
1570 | 日経レバ | 85.1%(補正値) |
VWO | バンガード新興国株 | 68.6% |
ARKK | 破壊的イノベーション | 64.4%(補正値) |
XLY | 一般消費財株 | 61.1% |
IWM | ラッセル 2000 ETF | 60.2% |
XLK | テクノロジー株 | 54.8% |
QQQ | ナスダック100 | 54.5% |
(ARKKと日経レバはリーマンショック後に設定されたETFなので、コロナショックが最大の下落となっています。そこでボラティリティの近いSSOの値を使って疑似的にリーマンショック時の下落値を作成しました。)
暴落率で並び替えると今度はレバレッジETFが上位になりました。もちろん暴落率が大きいほど、必要資金が大きくなるので、資金効率が悪くなり不利な結果となります。
一方、下落率最下位はQQQとなっており、トラップ数を増やせる銘柄ということが分かります。
VWOは総推移が小さいのに下落率も大きいなんて。この銘柄はダメダメだー。
たしかに。QQQは総推移が大きい割に下落率が小さくて良い気がするけど、なんだかこれだけじゃ最適な銘柄を見つけるのは難しいな。
TQQQに代わる銘柄はFAS&ARKK
FASとARKKがTQQQに代わる期待銘柄
上昇率や総推移、ショック時の暴落率を算出し、それぞれ比較してきましたが、一つ一つ見ていくとそれぞれの銘柄が一長一短で最適な銘柄を見つけ出すことができませんでした。
そこで上昇率・総推移・暴落率の3つのパラメーターそれぞれに係数を作成して、総合的な点数をつけました。
Q. なぜ上昇率が必要?
A. 同じ総推移でも上昇率が高いほど、決済回数が増えるので、総推移と上昇率がともに大きい銘柄ほど利益率が高い
この係数は、上昇率と総推移が異なる疑似的に生成したヒストリカルデータをもとに決済回数をシミュレートして求めました。
総合点=(上昇率×438.6+総推移×55.38)/暴落率
上記式で求めた総合点から再度9銘柄を点数順に並べ替えた結果がこちらです。
ティッカー | 銘柄名 | 最大下落率 | 日足 | 週足 | 1年総推移 | 1年上昇率 | 総合点 |
FAS | 金融株トリプル | 92.9% | 4.4% | 12.1% | 4081% | 413% | 4385 |
ARKK | 破壊的イノベーション | 64.4% | 3.1% | 7.7% | 1920% | 127% | 2517 |
1570 | 日経レバ | 85.1% | 2.9% | 7.7% | 1876% | 145% | 1970 |
SSO | S&P500ダブル | 86.0% | 2.8% | 6.9% | 1469% | 147% | 1694 |
QQQ | ナスダック100 | 54.5% | 1.8% | 4.3% | 906% | 81% | 1574 |
IWM | ラッセル 2000 ETF | 60.2% | 2.0% | 5.0% | 996% | 69% | 1418 |
XLK | テクノロジー株 | 54.8% | 1.9% | 4.6% | 804% | 63% | 1318 |
XLY | 一般消費財株 | 61.1% | 1.7% | 4.2% | 728% | 53% | 1043 |
VWO | バンガード新興国株 | 68.6% | 1.5% | 3.8% | 617% | 48% | 804 |
総合点1位は「金融株トリプル(FAS)」でした。
このETFはTQQQ同様、3倍レバレッジETFなので値動きがとても激しいです。暴落時に90%以上下がることを考慮して、ロスカットレートを設定してもなお決済がもっとも多い銘柄でした。
続いて2位は「破壊的イノベーション(ARKK)」でした。
こちらは破壊的イノベーションを起こす企業を中心に選定したアクティブ運用のETFで、着実に利益を出している企業というよりは、将来性、ストーリー性が期待される企業なので、レバレッジなしでもハイボラティリティです。
TQQQが規制されたことかFASも規制される可能性があるため、ARKKはトライオートETFにおける期待の星です。
わたしたちはARKKとIWMと運用しています。まさかボラの大きいIWMよりQQQの方が良い結果だったのは驚きです。今後銘柄を増やしていくときの参考しよう。
すごいわかりやすい表!みんなTQQQの話ばかりだから勉強になります。
個人的にはFASが気になる…。
意外とギャンブラー気質があるよね。笑
でもFASの圧倒的な総合点は素晴らしい。規制前に設定するのはありかもしれない。
お金大好き夫婦はARKKとIWMを運用中
私たち夫婦は現在ARKKとIWMでトライオートETFを運用中です。
運用実績について毎週更新しているので、実際どうなの?と気になる人は参考になれば幸いです。